北村慶


 1冊読了。


 38冊目『貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント ノーベル賞学者とスイス人富豪に学ぶ智恵北村慶PHP研究所、2006年)/マーケットが下がっている今だからこそ読むべき本。タイトルに難あり。PHPも随分と浅ましい真似をするものだ。内容は「長期投資の基本」である。ポートフォリオを組んで老後の蓄えを豊かにしようという至極真っ当な路線である。自己年金といってよい。少子高齢化に伴い、社会保障が手厚くなることは考えにくいので、この程度の経済感覚は身につけておくべきだろう。いわゆるファイナンシャル・リテラシーというやつだ。一つだけ気になったのは、理由を示さずにホリエモンの悪口を書いているところ。大衆に迎合する著者の姿勢が露呈している。

現代人は健康を味わえない/『人生論ノート』三木清

 我が青春の一書。初出は、「文学界」1938(昭和13)年6月〜1941(昭和16)年10月、ただし「個性について」は「哲學研究」1920(大正9)年5月、「後記」は「人生論ノート」創元社1941(昭和16)年8月、「旅について」は不詳、とのこと(「青空文庫」による)。


 三木清終戦後の昭和20年9月26日、豊多摩刑務所内で死亡した。享年48歳。

 実際、今日の人間の多くはコンヴァレサンス(病気の恢復)としてしか健康を感じることができないのではなかろうか。


【『人生論ノート』三木清新潮文庫、1954年)】


 二十歳(はたち)の私は、「ウン?」と思った。再び読み返して「アッ!」と唸った。我々は病気というマイナス価値に対しては敏感だが、健康をプラスと感じることができなくなってしまっている。つまり、健康な状態がゼロだと思い込んでいるようだ。


 中原理恵は「ないものねだりの子守歌」と歌った。欲望はいつだって満たされることがない。まるでブラックホールだ。そしてあらゆる情報が大衆の消費意欲に火を点け、あれもこれも足りないと欠乏感を煽り立てる。


 健康を味わえないから、病気も味わえない。生を堪能できないが故に、死の充実もない。欲望はありとあらゆるマイナス価値を否定する。これを肯定できれば少欲知足(欲少なくして足るを知る)か。


人生論ノート (新潮文庫)

うつ病の教師「気が弱い」=自民・笹川氏

 自民党の笹川堯総務会長は14日、大分市内での同党県連大会で、「今、学校では、うつ病で休業を続ける先生がたくさんいる。国会議員の中には(そういう人は)1人もいない。そんなに気が弱かったら務まらない」と述べた。うつ病の人や教師に対する理解のない発言とも受け取れ、批判が出る可能性もある。


時事通信 2009-03-14】