古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

文春の「中国買春」記事 谷垣元国交相の勝訴確定

 中国で買春したかのような記事を「週刊文春」に掲載され、名誉を傷つけられたとして、谷垣禎一国交相が発行元の文芸春秋などに損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(近藤崇晴裁判長)は11日、文芸春秋側の上告を受理しない決定をした。220万円の支払いを命じた2審東京高裁判決が確定した。
 2審判決などによると、週刊文春の平成17年12月8日号は、谷垣氏が訪中した際に買春したかのような記事を掲載した。
 1審東京地裁は文春側に330万円の賠償を命じたが、2審判決は谷垣氏が問題となった日の行動について立証しないことなどから賠償額を220万円に減額した。


産経新聞 2008-11-11】

苫米地英人


 1冊読了。


洗脳護身術 日常からの覚醒、二十一世紀のサトリ修行と自己解放苫米地英人/『洗脳原論』の実践編といった内容。文章は硬質で、仏教や気功などの呼吸法も紹介されている。そこそこ読ませるのだが、やや理論的根拠に欠ける。脳機能科学からアプローチした内容の方が私の好みに合っている。ベッチーの作品は取捨選択が必要。

09年版年次改革要望書のすごい中身

 オバマ大統領の誕生で対日圧力がますます強くなると予想される中、米国が毎年秋に日本に突きつけてくる「年次改革要望書」09年版の内容が明らかになった。
 この文書はいわば日本政府への“指令書”で、自民党政権は93年以降、その要求をほとんど丸のみしてきた経緯がある。小泉元首相の「郵政民営化」をはじめ、耐震偽装の元凶となった「建築基準法改正」、大量のワーキングプアを生んだ「労働者派遣法改正」も、もとはこの文書に書かれていた米国側の要望だ。
 米政府の狙いは日本市場の開放にある。先月15日に出された09年版の中身について、独協大教授で経済評論家の森永卓郎氏がこう言う。
「今回の要望書で、米国が日本の消費者を標的にしていることがハッキリしました。その象徴が確定拠出年金、つまり私的年金制度の拡大です。米国は日本の年金制度崩壊を見込んで、年金分野に参入しようとしています。また、個人の金融信用度を示す得点『クレジットスコア』を金融機関に導入させようとしていて、消費者金融への進出も考えているようです」
 米国のデタラメな対日要求はそれだけではない。
 国際政治学者の浜田和幸氏はこう指摘する。
「まずは医療業界の開放です。新薬承認や医療機器導入の規制を緩和し、米医薬メーカーが参入しやすくなるよう迫っています。さらに農業分野では、遺伝子組み換え食品を導入するための制度改定、残留農薬食品添加物の検査の緩和を求めている。ほかにも、NTTやドコモを分割して通信の競争促進を迫ったり、民営化後の日本郵政にはさらなるリスクを取るよう要求している。経済の立て直しが急務のオバマ大統領が、圧力を強めてくるのは間違いありません」
 麻生首相は「新しい大統領と日米関係を維持する」とか言っていたが、結局、また米国にむしり取られることになる。


日刊ゲンダイ 2008-11-08】