古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

覚え書き

消費としての戦争

消費が善であると考えられている限り、あらゆる戦争は正当化される。消費の本質は浪費であり、その最たるものが戦争に他ならない。

ゼロ

ゼロは静かだ。一も限りなく静かである。二はうるさくなる。

背は伸びないが、爪は伸びる。年をとると、身体は水平方向を目指す。

王と奴隷

人は王となりたがり、奴隷であることを望む。 人は他人をコントロールしたがり、偉大な人物からコントロールされることを望む。 人は、王と奴隷との間をフィードバックする。

二種類の孤独

孤独に苛(さいな)まれる人がいる。孤独を愛する人がいる。疎外感と孤高とは似て非なるものだ。

リストラ

会社全体の仕事量を増やすのが社長の仕事である。不況を理由に社員をリストラするのは本末転倒である。まず、社長を切るのが本筋だ。

取り憑かれる

何かに取り憑かれたかのように集中し、没頭する。 他のことはどうでもよくなる。 「狂」の字がフラッシュのように明滅し、稲妻のごとく閃(ひらめ)き走る。 内なる暗黒物質の放出が、欲望と知性、堕落と修行の壁を粉砕する。 全力で疾走し終えると、そこに…

愛情

子を産んでも、裏切る愛がある。 互いの体温を感じても、破れる恋がある。 言葉だけでも、信じられる人がいる。 文字だけでも、通い合う情がある。 心だけでも、確かな真実がある。

心の穴

君の心に空いた穴は、私の形をしている。

清潔と不潔

人は清潔なものを好み、不潔なものも好む。ここに邪悪の存在する余地がある。

捉える

それが私の心を捉えた。それとも、私の心がそれを捉えたのか?

離婚

君は「夫が話を聞いてくれなかったら離婚した」と言った。 「じゃあ、話を聞いてくれたら離婚しなかったのか?」 「うん」 それは違う。亭主が君の存在を否定したからこそ、君は離婚したのだ。

孤独

私は君の孤独を知っている。 だが、君はそれを知らない。 そして、孤独は私に襲い掛かるのだ。

自殺

「自殺は逃避に過ぎない」と君は言う。 「じゃあ、死んでみせろ」と私が言う。 私はどうしても、自殺した人々を見下すことができない。 たとえ狂気に取りつかれていたとしても、そこに自由意志を感ずるためだ。

情報

情報を加工し、変質し、伝達する媒体――私。

教養

知識と知識とがつながり合い、熟成し、発酵すると、教養になる。そして教養は、見識に磨きをかける。