覚え書き
消費が善であると考えられている限り、あらゆる戦争は正当化される。消費の本質は浪費であり、その最たるものが戦争に他ならない。
ゼロは静かだ。一も限りなく静かである。二はうるさくなる。
背は伸びないが、爪は伸びる。年をとると、身体は水平方向を目指す。
人は王となりたがり、奴隷であることを望む。 人は他人をコントロールしたがり、偉大な人物からコントロールされることを望む。 人は、王と奴隷との間をフィードバックする。
孤独に苛(さいな)まれる人がいる。孤独を愛する人がいる。疎外感と孤高とは似て非なるものだ。
会社全体の仕事量を増やすのが社長の仕事である。不況を理由に社員をリストラするのは本末転倒である。まず、社長を切るのが本筋だ。
何かに取り憑かれたかのように集中し、没頭する。 他のことはどうでもよくなる。 「狂」の字がフラッシュのように明滅し、稲妻のごとく閃(ひらめ)き走る。 内なる暗黒物質の放出が、欲望と知性、堕落と修行の壁を粉砕する。 全力で疾走し終えると、そこに…
子を産んでも、裏切る愛がある。 互いの体温を感じても、破れる恋がある。 言葉だけでも、信じられる人がいる。 文字だけでも、通い合う情がある。 心だけでも、確かな真実がある。
君の心に空いた穴は、私の形をしている。
人は清潔なものを好み、不潔なものも好む。ここに邪悪の存在する余地がある。
それが私の心を捉えた。それとも、私の心がそれを捉えたのか?
君は「夫が話を聞いてくれなかったら離婚した」と言った。 「じゃあ、話を聞いてくれたら離婚しなかったのか?」 「うん」 それは違う。亭主が君の存在を否定したからこそ、君は離婚したのだ。
私は君の孤独を知っている。 だが、君はそれを知らない。 そして、孤独は私に襲い掛かるのだ。
「自殺は逃避に過ぎない」と君は言う。 「じゃあ、死んでみせろ」と私が言う。 私はどうしても、自殺した人々を見下すことができない。 たとえ狂気に取りつかれていたとしても、そこに自由意志を感ずるためだ。
情報を加工し、変質し、伝達する媒体――私。
知識と知識とがつながり合い、熟成し、発酵すると、教養になる。そして教養は、見識に磨きをかける。