暴力

米兵は拷問、惨殺、虐殺の限りを尽くした/『人間の崩壊 ベトナム米兵の証言』マーク・レーン

『ベトナム戦記』開高健 米兵は拷問、惨殺、虐殺の限りを尽くした 米国の不快な歴史 『動くものはすべて殺せ アメリカ兵はベトナムで何をしたか』ニック・タース 『アメリカの国家犯罪全書』ウィリアム・ブルム 『ショック・ドクトリン 惨事便乗型資本主義の…

死者数が“一人の死”を見えなくする/『アラブ、祈りとしての文学』岡真理

イスラエル問題を知れば知るほど暗澹(あんたん)たる気持ちになってくる。世界がどうしてこれほどパレスチナを無視するのかが全く理解できない。 結局のところ、パレスチナってのはイギリスから見た場合、単なる空き地に過ぎなかったということだ。第一次世…

暴力が破壊するもの 3/「黒い警官」ユースフ・イドリース(『集英社ギャラリー〔世界の文学〕20 中国・アジア・アフリカ』所収)

暴力が破壊するもの 1/「黒い警官」ユースフ・イドリース(『集英社ギャラリー〔世界の文学〕20 中国・アジア・アフリカ』所収) 暴力が破壊するもの 2/「黒い警官」ユースフ・イドリース(『集英社ギャラリー〔世界の文学〕20 中国・アジア・アフリカ』所…

暴力が破壊するもの 2/「黒い警官」ユースフ・イドリース(『集英社ギャラリー〔世界の文学〕20 中国・アジア・アフリカ』所収)

暴力が破壊するもの 1/「黒い警官」ユースフ・イドリース(『集英社ギャラリー〔世界の文学〕20 中国・アジア・アフリカ』所収) 前回は登場人物のシャウキーを紹介した。今回はアッバースを取り上げる。実は彼こそが「黒い警官」だった―― このアッバース・…

暴力が破壊するもの 1/「黒い警官」ユースフ・イドリース(『集英社ギャラリー〔世界の文学〕20 中国・アジア・アフリカ』所収)

暴力を振るう側と振るわれる側との関係、暴力の様相、暴力の意味、暴力の影響、そして暴力の成れの果て……。この小説の主人公は暴力である。 広河隆一著『パレスチナ 新版』(岩波新書、2002年)で、ガッサーン・カナファーニーと岡真理を知った。そして、岡…

世間にひれ伏すインナーマザー/『インナーマザーは支配する 侵入する「お母さん」は危ない』斎藤学

インナーマザーとは「内なる母」のこと。虐待、過干渉、ネグレクトなど、さまざまな形で子供の心を踏みにじり、侵略し、遂には変形させる悪魔のような存在だ。親子の姿は支配関係となり、日常的に親が子をコントロールし続ける。プレッシャーに耐え切れなく…

チェチェンの伝統「血の報復の掟」/『国家の崩壊』佐藤優、宮崎学

チェチェン人の男は必ず復讐を果たすという―― それから、チェチェンには、独特の「血の報復の掟」があるんです。チェチェンでは、子どもが生まれると、男の子だけですが、7代前までの名前を全部暗記させるんです。それから、どこで生まれてどこで死んだとい…

侵略者コロンブスの悪意/『わが魂を聖地に埋めよ アメリカ・インディアン闘争史』ディー・ブラウン

コロンブスが最初の航海に出たのは1492年のこと。当時、地球は丸いと考えられていたが、実際に確認した者はいなかった。中々陸地に到着せず、乗組員が暴動を起こした。彼等は地球が平らな世界だと思っていた。きっと帰れなくなることを恐れたのだろう。 この…

名門高校生による殺人事件/『子供たちの復讐』本多勝一

二つの殺人事件を追ったルポ。いずれも被害者は家族で、犯人は高校生。しかも超がつくほど優秀な高校生だ。校内暴力という言葉がメディアに出るようになったのもこの頃だ(1979年)。 高度経済成長に伴って核家族化が進んだ。そして少子化によって、子供は“…

魔女は生木でゆっくりと焼かれた/『魔女狩り』森島恒雄

魔女は生木でゆっくりと焼かれた 魔女狩りの環境要因 魔女狩りの心情 12世紀にカトリック教会は異端審問を始める。教会に歯向かう者は叩き潰しておくに限るってわけだ。キリスト教における神は絶対的な存在である。人間は「神に似せてつくられた」存在であり…

政治テロで問題は解決できず/『永遠の都』ホール・ケイン

「人間共和」を謳い上げた名作。同じ時期にユゴーの『九十三年』を読んだが、こっちの方がはるかに昂奮した覚えがある。 「しかし、そのような役目(暴君暗殺)を引き受ける人間はです」とデイビッド・ロッシィはいった。「いかなる個人的な復讐の感情にもと…

人を殺してはいけない理由/『ブッダは歩むブッダは語る ほんとうの釈尊の姿そして宗教のあり方を問う』友岡雅弥

【※本当は12月20日に書いているのだが、量が多くなってしまったため、翌日分とした】 オウム真理教が跋扈(ばっこ)し、酒鬼薔薇事件が世間を騒然とさせた直後から、「なぜ人を殺してはいけないのか?」という問いが子供達から発せられるようになった。 私に…

「国家」と「貨幣」は人間を超越する/『ナショナリズムという迷宮 ラスプーチンかく語りき』佐藤優、魚住昭

忘れないうちに書いておこう。養老孟司は「われわれの社会では言語が交換され、物財、つまり物やお金が交換される。それが可能であるのは脳の機能による」(『唯脳論』)と書いた。 佐藤●マルクスが解き明かしたことの中でも重要なのが「国家」と「貨幣」の…

戦争は「質の悪いゲーム」だ/『パソコンゲーマーは眠らない』小田嶋隆

3分の1ほどがゲームソフトのレビューだ。それでも、ゲームにまるで関心のない私に読ませるのだから、オダジマンのペン先の鋭さには恐れ入ってしまう。 小田嶋隆の著作を読むと必ずと言っていいほど反戦志向が窺える。だがそれは、ありきたりな平和論とは全く…

ソ連によるアフガニスタン侵攻の現実/『国家の崩壊』佐藤優、宮崎学

軍事技術の発達は「距離を獲得」したと言ってよい。すると、戦争とは縁のない我々は、離れた位置から敵を撃ち、砲撃するものと勝手に想像してしまう。当然、返り血を浴びることはなく、硝煙と爆発が戦場を支配する。 ソ連軍によるアフガニスタン侵攻は、1979…

ニュース拾い読み・書き捨て 31

ジダンの頭突き サッカー・ワールドカップでの決勝戦で、フランスのジダンがイタリア選手に頭突きを食らわせ、物議を醸(かも)している。 ジダンはワールドカップをもって引退することを既に表明していた。選手としての最後の試合が、レッドカードで幕を閉…

ニュース拾い読み・書き捨て 9

被害者イジメの俗悪週刊誌 ▼沖縄県で起きた米兵による女性暴行事件で、被害者の女性が沖縄弁護士の人権擁護委員会に人権救済の申し立てをした(7月28日)▼内容は、一部週刊誌の報道によってプライバシーを侵害されたというもの▼ある週刊誌の女性記者は被害者…