古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

映画

森達也インタビュー 3

――あのー、『A』から『A2』にかけての話ですが、もうオウムはテーマとして取り上げない、と、ずいぶん発言されていましたね。 森●はい。 ――それで、要するにもう一度取り上げよう、として、『A2』をつくることになった、一番根っこにある理由をうかがいたい…

森達也インタビュー 2

メディアにおける「タブー」とは何か ――テレビ、新聞、ラジオ、雑誌、と、いろいろメディアに種類がありますが、マスメディアの側の壁の厚さってものは、強まっているのか、弱まっているのか、感じられることはありますか。 森●うーん、難しいんですねえ。「…

森達也インタビュー 1

【森達也】1956年広島県呉市生まれ。1980年立教大学卒業、在学中から俳優活動を始め、自主製作映画などに出演。1989年、不動産、広告会社などの様々な職種を経て、テレビ番組制作会社に入社。以降、報道系ドキュメンタリーの番組等、40本以上の作品を手がけ…

『24 TWENTY FOUR』&『シーズンII』

・監督:スティーヴン・ホプキンス&ジョン・カサー 【10点】 ・脚本:ロバート・コクラン&ジョエル・サーノウ 話題となっている『24 TWENTY FOUR』と『シーズンII』を見た。どれぐらい話題になっているかというと、この間、北海道へ帰省した際、決して映画…

『NARC ナーク』

・監督:ジョー・カーナハン 傑作といっていいだろう。主役と脇役の二人がいい。個人的には脇役警部補の方が好み。 過去の傷が癒えぬ二人の警官がコンビを組んで、麻薬捜査官殺しの犯人を追う。情け容赦のない取り調べに痺れる。 途中に散りばめられる映像は…

『アメリ』ジャン=ピエール・ジュネ監督

【9点】 ・主演:オドレイ・トトゥ 以前から、気になっていた『アメリ』をやっとビデオで見た。私は基本的に、人がバタバタと死ぬ映画が好みなんで、この手の作品にはあまり食指が動かないのだ。 いやあ、もっと早くみておきゃよかった。こいつあ、傑作だ! …

『さらば、わが愛 覇王別姫』

・陳凱歌(チェン・カイコー)監督 【8点】 カンヌ映画祭パルム・ドール大賞を受賞。既にご覧になった方も多いだろう。私は今回で2度目。最初に見た時と余りにも印象が異なったため、書き残しておく。 京劇『覇王別姫(はおうべっき)』とは『史記』に書かれ…

『HERO/英雄』

・監督:チャン・イーモウ 【10点】 ・撮影:クリストファー・ドイル ・衣裳:ワダエミ 昨年のこと、私は珍しく封切り映画を三度見に行った。いずれも、無理矢理つき合わせられた恰好だった。煙草が吸えない場所は極力避けるのが私の方針なのだ。最初に見た…

『ゆきゆきて、神軍』原一男監督

実写フィルムである。ナレーション・BGMは無し。 物腰の低い62歳の男が現われる――奥崎謙三。顔の相に何かが滲み出ている。続いて結婚式会場へ場面が一転。仲人として祝辞を述べる奥崎。うち並ぶ親族を前に自らが犯してきた罪を語り、反体制活動が新郎との縁…

『ポストマン・ブルース』サブ監督

B級映画の傑作である。邦画を見て快哉を叫んだのは和田誠監督のデビュー作『麻雀放浪記』以来だ。新世紀の初日に再びビデオで見た。 郵便物を仕分けする業務が映し出される。全くやる気のない表情。シュコーン、シュコーンと振り分けられる郵便物。カットが…