古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

2010-10-11から1日間の記事一覧

フランソワ・モーリアックが生まれた日

今日はモーリアックが生まれた日(1885年)。病的なほどに我執や肉欲にとらわれる人間の内面を執拗に分析して、神なき人間の悲惨を描いた。表現は独自の内的独白の手法により、文体は古典的で端正、精緻で、構成もきわめて巧妙、深刻な道徳問題を取り扱った…

「ガード下」SION

叫びではなく呻(うめ)き。SIONの声は怒りよりも苦悶を響かせている。喉を振り絞り、軋(きし)んだ声が空気を異様に振るわす。絶望の中から一滴(ひとしずく)の優しさが香油のように漂う。 誰もがガード下にいる。シモーヌ・ヴェイユが語った「重力」の下…

脳は視野の鼻を消している

視野に見える鼻はどうでしょう。なぜ気にならないのでしょう。顔をどこに向けても、鼻先はいつも同じ場所に見えています。でも、鼻の存在はまったく気になりません。見えている気さえしません。これまた脳の作用です。無意識に視野の鼻を消しているのです。 …

チャーチル「民主主義は最悪の政治形態」

これまでも多くの政治体制が試みられてきたし、またこれからも過ちと悲哀にみちたこの世界中で試みられていくだろう。民主主義が完全で賢明であると見せかけることは誰にも出来ない。実際のところ、民主主義は最悪の政治形態と言うことが出来る。これまでに…

千万人と雖も吾往かん

自ら反(かえり)みて縮(なお)くんば、千万人と雖(いえど)も吾往(ゆ)かん。 【「公孫丑章句上」孟子】

勇者は懼れず

子(し)日(のたま)わく、知者(ちしゃ)は惑(まど)わず。仁者(じんしゃ)は憂(うれ)えず。勇者(ゆうしゃ)は懼(おそ)れず。 【『論語』孔子】