古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

2010-01-02から1日間の記事一覧

思想とは壁の中にセメントで塗り込められた煉瓦である

ある思想の基礎的な土台は他者の思想なのであって、思想とは壁の中にセメントで塗り込められた煉瓦なのである。もし思索をめぐらす存在が自己自身を振り返ってみるときに、一つの自由な煉瓦を見るだけで、この自由という外見を手にするためにその煉瓦がどれ…

カーリン・アルヴテーゲン

1冊読了。 2冊目『罪』カーリン・アルヴテーゲン/柳沢由美子訳(小学館文庫、2005年)/アルヴテーゲンのデビュー作だ。彼女は二人目の子供を身ごもっている時に実兄を亡くしたという。生まれ来る新たな命と失ってしまった命の板挟みに遭遇し、アルヴテーゲ…

カーリン・アルヴテーゲン

1965年スウェーデン生まれ。作家、テレビの脚本家。98年、『罪』でデビュー。2000年『喪失』で北欧5ヶ国の推理小説家が対象の名誉あるベスト北欧推理小説賞を受賞した。 カーリン・アルヴテーゲン

この世から「私」という言葉を消し去ることができれば、世界はかなり平和になるだろう。「あなた」「彼」「彼女」も奪ってしまえば、世界は完全な平和を手中するに違いない。