古本屋の覚え書き

古い書評&今週の一曲

2008-06-01から1日間の記事一覧

『自分自身への審問』辺見庸

なぜこんなことを言うのか。変な話ですが、〈見る〉あるいは〈視る〉、〈診る〉、〈視認する〉、〈目視する〉、〈監視する〉、〈観察する〉、〈視察する〉という言葉と行為に、ぼくは病前から朧(おぼろ)に怪しいもの、何だか不遜なもの、特権的なもの、優…

『いまここに在ることの恥』辺見庸

無神論者であることを白状しながら『自分自身への審問』という著作を出し、次にあたかも武士道を思わせるこのタイトルである。マルクス・レーニン主義者であることを払拭したいのだろうか? 「一犬虚に吠ゆれば万犬実を伝う」という。一人がでたらめを語ると…